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くすりのとくさん

Author:くすりのとくさん
<プロフィール> 
トクダ健康メディカル 代表
徳田 正武(TOKUDA MASATAKE)
健康メディカルコンサルタント
&アドバイザー 

国内大手製薬会社で40年のキャリアがあります。 薬剤師、薬理学修士、慶應義塾大MBA(嶋口ゼミ)取得者で血栓止血領域(ワルファリン等)・血管・CT・MRI造影剤領域プロダクトマネージャー、安全管理部(GVP)、渉外部、医療機器分野の新規事業部長の経験があります。

趣味:パラグライダー、フライフィッシング、ゴルフ、テニスなど

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ノコギリヤシは前立腺肥大症に有用か?

ノコギリヤシは、北米南東部のヤシ科の植物で、45cm-1mに広がる特徴的なノコギリ状の葉を持つのが特長です。ノコギリヤシの中国語名は「棕櫚子」です。
薬用部位は実で、中国では古くから泌尿器疾病の治療薬(漢方)として利用され、さらに強壮、利尿に効果があるとされてきました。
俗に「泌尿器疾患に有効である」といわれ、前立腺肥大症に対する作用など、一部にヒトでの有効性が示唆されています。
安全性についてはまれに胃腸障害が見られますが、適切に使用する場合にはおそらく安全と思われます。

ただし、医薬品との相互作用が報告されており、性ホルモンに対する作用があることから、女性の妊娠中・授乳中は禁忌とされています。
ドイツのコミッションE(ドイツの薬用植物の評価委員会)は、ノコギリヤシを摂取する場合、医師の定期的な診断を受けるべきであると指摘しています。


泌尿器系への作用

前立腺肥大症に対して、おそらく有効と思われます。
48週間にわたる複数の臨床研究により、ノコギリヤシは頻尿、排尿痛、尿意切迫、会陰の重苦しさ、排尿困難などを軽減したという報告があります。

また夜間の尿の回数を減少し、最大及び平均尿量を増やし、残尿感を改善した報告されています。
これは既存の医薬品に匹敵するほどの作用と考えられています。

ただし、ノコギリヤシは前立腺の大きさや、前立腺特異の抗原価は減少させません
またノコギリヤシが効果を示すまでには摂取し始めてから1-2ヶ月を必要とします。
ほとんどの臨床研究は脂肪酸80-90%を含むノコギリヤシ実の脂質抽出物を使用しています。

良性前立腺肥大に対して有益である可能性が高いと考えられます。
良性前立腺肥大における二重盲検での臨床研究が近年多数発表され(患者数600人以上)、リポイドヘキサン抽出物あるいは超臨界CO2抽出物が、良性の前立腺肥大における排尿困難、夜間尿、頻尿、尿放出力減退などの自覚的・他覚的症状を改善することを示しています。


安全性情報

・経口で適切に摂取する場合おそらく安全と思われます。ノコギリヤシは48週にわたる臨床試験により安全性が確認されています。
・コミッションE(ドイツの薬用植物の評価委員会)は、ノコギリヤシを摂取する場合、医師に定期的に診断を受けるべきであると指摘しています。これは、ノコギリヤシは症状は緩和しますが、前立腺サイズ肥大の進行を止めないため、前立腺がんの進行を見逃す可能性があるからです。

・経口摂取の副作用は一般的に軽度であり、主なものとして吐き気、嘔吐、便秘、下痢、腹部不快感、腹痛などの胃腸症状、めまい、不眠、疲労、頭痛、筋肉痛、高血圧症などが報告されています。そのため、消化器疾患がある人や高血圧症の人は慎重に使用する必要があるとされています。

・ノコギリヤシまたはその成分に対するアレルギーや過敏症がある人は注意して使用する必要があります。


医薬品等との相互作用

・ 経口避妊薬やホルモン療法との併用で、それらの効果に影響を与えることがあります。そのため、ホルモン補充療法を受けている人やホルモン感受性の状態にある人は、慎重に使用する必要があります。

・抗血液凝固薬や抗血小板薬との併用で、出血傾向が高まるとの報告がありますが明確ではありません。

・理論上は、ノコギリヤシを摂取すると、前立腺特異抗原(PSA)値を人為的に低下させる可能性があるため、前立腺がんの診断を遅らせたり、治療に影響を及ぼしたりする可能性もあります。


サプリメントとの相互作用と安全性情報については姉妹サイトの
→「予防としてのナチュラルメディスン(メディカルハーブ&サプリ)の世界」を必ず参照されてからお使いください。

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